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薬を買わせたい製薬会社と洗脳される医学生【るいネット】

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製薬会社は自社の薬を販売しようとするため、医学生の頃から売り込みを欠かせないようです。無償で医療器具や医学書を提供し、自社の製薬の効用や効果を大げさに伝える。

「わたしはまだ若い医学生だったころ、製薬会社から派遣されるおおぜいの営業マンたちは、医者の人命救助活動に協力してくれる存在だとばかり信じていた。医者になってからもしばらくそう信じていた。われながら純真だったと思う。やがて、製薬会社の主な目的はそういうところにはないことに気がついた。製薬会社の目的はなんといっても金儲けであり、自社の医薬品が「人びとの健康に奉仕する」ためのものであるかのように医学生に錯覚させることで売り上げの拡大を図っているのだ。」

下記はアメリカの事例ですが、日本においても薬漬け医療なのは同様で、同じような構造と考えられます。

 

女性編 「医者が患者をだますとき」より転載します。
リンク

■見せかけだけの医薬分業

 悲惨な結果を招く向精神薬の過剰投与。その背景には、当然のことながら、製薬会社が医者を薬漬け医療へと徹底的に後押ししているという事情がある。

 

■薬に関する医者の洗脳は医学部で始まる。

医学生は教授から薬について若干の知識を得るが、製薬会社の営業マンによる猛烈な「教育活動」とはくらべものにならない。

この食欲な連中は、自社の医薬品の広告をキャンパスに撒き散らし、医学生のために医療器具や医学書を無料で支給し、食事会を開き、研究資金を拠出し、夏休み中のアルバイトの斡旋までしてくれる〝便利屋″なのだ。
 医学部時代に築かれた馴れ合いの関係は、卒業後もつづくことになる。
営業マンは贈答品を持って医者のもとを定期的に訪れ、薬の無料サンプルを手渡し、効能・効果に関する疑わしい情報をおおげさに伝えて自社の医薬品を選定してもらうように働きかける。


 製薬会社はいかがわしい薬の売り込みのために医者一人あたり年間推定約五〇〇〇ドルを費やし、総売り上げの一三パーセントに相当する推定一三億ドルを販促活動にあてている。そのほかにも、デスク、ブリーフケース、カレンダーといったさまざまな贈答品を配っている。また、全国の医者一人あたりにつき年間八五〇〇錠、総量にして三〇億錠もの薬を無料配布している。

 

*訳注
 日本では製薬会社の医薬情報担当者は、MR (メディカル・リプレゼンタティブ) という和製英語で呼ばれ、業界全体で五万人以上いる。一九九〇年、旧厚生省の「MRのあり方に関する研究班」の報告書でMRの資質が問題視されたのをきっかけに、九七年以降、財団法人による「MR認定 試験」がおこなわれるようになったが、「落ちるほうがむずかしい」という批判もある 

(中略)

 営業マンの味方は薬剤師である。両者は利害関係が一致している。というのは、薬剤師は医者の処方箋に基づいて調剤する立場にあり、営業マンが医者にできるだけ多くの薬を処方するように要請することで生計を立てているからだ。多くの薬剤師は、自分の担当地区の医者がどの毒薬をもっとも好んで使っているかという情報を営業マンに提供する。営業マンはそれに基づいて、自社の医薬品を使うことがもっとも少ない医者に的を絞って販促活動を展開する。

(中略)

 わたしはまだ若い医学生だったころ、製薬会社から派遣されるおおぜいの営業マンたちは、医者の人命救助活動に協力してくれる存在だとばかり信じていた。医者になってからもしばらくそう信じていた。われながら純真だったと思う。やがて、製薬会社の主な目的はそういうところにはないことに気がついた。製薬会社の目的はなんといっても金儲けであり、自社の医薬品が「人びとの健康に奉仕する」ためのものであるかのように医学生に錯覚させることで売り上げの拡大を図っているのだ。

 その後、営業マンは無料サンプルと仰々しい医学文献を携えて毎月欠かさずやって来た。そして、新薬の売り込みのために怪しげな用語を交えながら効能・効果を誇張していた。わたしはその様子をじっくり観察した。もちろん、新薬の多くが危険であり、臨床試験が十分におこなわれておらず、適応症に対しておそらくなんの有効性もないことくらい、営業マンもわたしも百も承知だった。顔なじみになるにつれて、彼らの多くが胸の内を告白するようになった。「薬の営業というのは、本当にいやな仕事だとつくづく思います」と。【引用元

 

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